【2025年最新】不貞行為の証拠にLINEは使える？“決定的な証拠”の取り方を弁護士が徹底解説

配偶者の不倫（不貞行為）が疑われるとき、離婚や慰謝料請求を考えるうえで「証拠の有無」が極めて重要になります。とくに、近年ではLINEなどのメッセージアプリのやり取りが証拠として取り上げられるケースも増えてきました。
この記事では、不貞行為とは何か、そしてLINEのやり取りがどのように不貞行為の証明につながるのかを詳しく解説します。

不貞行為とは？

不倫（不貞行為）とは、配偶者以外の異性と性的な関係を持つことを指します。 これは、離婚を求める正当な理由（法定離婚事由）のひとつとされており、同時に慰謝料を請求するための根拠にもなります。 ただし、離婚や慰謝料を請求する際には、配偶者と相手の間に「肉体関係（性交渉）」があったことを証明する必要があるのが基本です。

そもそも不貞行為を証明するための証拠とはどういうものか

不倫を立証するためには、「肉体関係があった」とわかる証拠が必要になります。とはいえ、性交渉そのものを直接撮影した映像などを入手できるケースは、現実的にはほとんどありません。 では、実際の裁判などではどのような証拠が用いられているのでしょうか。 よく使われるのが、探偵事務所などの調査会社に依頼して撮影された写真です。ただし、単に二人が一緒に食事をしていたり、手をつないでいたりする程度の写真では不十分とされます。 法的に有効とされるのは、例えばラブホテルに出入りする場面や、一方の自宅に夜間訪れ、朝まで滞在している様子がわかる写真などです。このような状況証拠があれば、「性交渉があった」と推認される可能性が高まります。 また、LINEやメールのやりとりの中に、性的関係を示唆するような具体的な内容が含まれていれば、それ自体が不貞行為の証拠として認められることもあります。

1. 写真・動画

性的関係の存在を視覚的に裏づける証拠です。

有効な例：

• 性行為中またはその直後と思われる場面の写真・動画
• 裸のツーショット写真
• ベッドに2人で横たわる場面
• ラブホテルに一緒に入退室する様子（顔や場所が特定できるもの）

注意点：顔が映っていない、場所が不明確、単なる食事シーンなどは証拠として弱く、「自分ではない」と否認される可能性があります。

2. 誓約書・録音データ

本人が不貞を認めた直接的証拠となるものです。

誓約書：

• 不貞行為があったことの認めと謝罪
• 今後の再発防止に関する誓約
• 本人の署名があると裁判でも有効

録音データ：

• 性行為中の音声
• 不倫相手との会話で不貞行為を認める発言

注意点：違法な手段（例：別居中の配偶者宅に無断侵入）で録音した場合は証拠として無効になる可能性があります。

3. LINEやメールのトーク履歴

文面から性交渉の事実がうかがえるやりとりは、有力な証拠になり得ます。

有効な文面の例：

• 「またエッチしよう」「この前のホテル良かったね」
• 「君とのエッチ、気持ちよかった」「激しかったね（文脈が性的な場合）」

弱い文面の例：

• 「大好き」「また会いたい」「昨日はありがとう」など、曖昧な表現
ポイント：「性行為を連想させる表現＋日時・場所の特定」があると証拠力が高まり、文脈を含めた保存が重要です。

4. ホテルの領収書・クレジットカードの利用明細

単独では弱いが、他の証拠と組み合わせることで不貞の裏づけに。

使い方の例：
• 「出張」と言って外泊した日に、クレジット明細にホテルの利用履歴がある
• その日と一致するLINEで「ホテル楽しかったね」といった文面がある
ポイント：不倫相手といた日時・場所の照合に役立ち、矛盾を追及する材料になります。

5. 探偵による調査報告書

もっとも確実性が高く、裁判でも信頼されやすい証拠のひとつ。

特徴：
• ラブホテルの出入りや深夜の宿泊などの写真を含む報告書
• 日時、場所、行動の流れが客観的に記録されている
• 配偶者との面識がないため尾行がバレにくい
メリット：
• 他の証拠と組み合わせやすく、証明力が高い
• 証拠としての信頼性が高く、弁護士も提出しやすい
先述いたしましたが、不貞の証拠として裁判で有効になるものは一貫して「客観的似肉体関係があった」と判断できる証拠です。

不倫の証拠として有効になりうるLINEの内容例

すでに述べたように、異性とLINEで連絡を取り合っているだけでは、不貞の証拠としては不十分です。 たとえ、異性とどこかに出かけたことがうかがえる内容であっても、それだけでは法律上の「不貞行為」には該当しません。 では、どのようなLINEのやりとりが不倫の裏付けとなるのでしょうか。具体的な例を紹介します。

1. 肉体関係の存在を示すトークや画像

不倫と認定されるには「肉体関係」があったかどうかが鍵になります。そのため、LINE内で性行為を示すような画像や明確なトーク内容があれば、直接証拠となり得ます。

• 性行為中または直後と思われる画像・動画
• 「昨日のエッチ、すごく良かったね」などのトーク

2. 二人で過ごしたことを示すやり取り

明確な性的表現がなくても、旅行や宿泊を共にしたことがわかるLINEは、間接証拠となる可能性があります。

• 「一緒に温泉旅行、楽しかったね」
• 同じ部屋での宿泊を示す写真など

※ただの食事や買い物の記録は、証拠として弱い傾向があります。

3. 性行為が予期される予定のやり取り

今後性行為が行われると推測されるやりとりも、状況証拠として活用されることがあります。

• 「明日はラブホテルで14時待ち合わせね」
• 「例のホテル、また行こう」

※「明日会おうね」など曖昧な内容は証拠にならない可能性があります。

4. 不倫関係を自認するトーク

トーク内でお互いが「不倫している」と認識していることがわかれば、肉体関係の有無に関わらず、不貞の証拠となり得ます。

• 「不倫関係になっちゃったね」
• 「バレないように気をつけよう」

※冗談や軽口と見なされるリスクがあるため、他の証拠と組み合わせることが大切です。

LINEのやり取りを不倫の証拠として残す方法

不貞行為を示すLINEの内容を見つけた場合、それを削除される前に確実に保存することが非常に重要です。トーク履歴が消されてしまうと、後から証拠を再取得するのは困難になります。

スマートフォンのカメラでLINEの画面を撮影する

証拠になりそうなトークを見つけたら、スクリーンショットではなく、自分のスマートフォンで配偶者のスマートフォン画面を「外観ごと」撮影して保存しましょう。

スクリーンショットは画像の加工が容易なため、証拠としての信頼性が疑われることがあります。 画面全体とスマホ本体が映っている写真の方が、後で「偽装でない」と証明しやすくなります。
• 画面と一緒にスマホ本体も写す
• 必要であればスマホの背面も撮影する

やり取りの前後も含めて記録しておく

決定的な証拠となるトークだけでなく、その前後の文脈も含めて記録することで、信頼性の高い証拠になります。

例えば「昨日の夜は楽しかったね」という一文があっても、それだけでは肉体関係があったかどうかは判断できません。 しかし、直前に「ホテルに行こう」と話していたり、後に「ベッドの上で～」と続いていれば、意味合いが変わります。

• 前後のやり取りによって証拠の強さが変わる
• 一部分だけの記録は誤解や反論の原因になる
会話の流れ全体を記録しておくことで、法的な場でも「文脈として不貞行為を示している」と認められる可能性が高まります。

LINEのメッセージを見ることは違法になる？

LINEのやり取りが浮気の証拠になると聞いても、「配偶者のスマートフォンを勝手に見ることで、自分が訴えられてしまうのでは？」と不安になる方も少なくありません。

結論からいえば、違法になる可能性は高くありません。

ただし、どのような状況でLINEの内容を見たかによって、法的な判断が分かれることがあります。以下で具体的に整理してみましょう。

プライバシーの侵害にあたるかどうか

一般的に、相手のスマホを「無断で操作してLINEを見る」ことが直ちに犯罪行為とみなされることはありません。ただし、民事上の「プライバシー侵害」として、損害賠償を請求される可能性はゼロではありません。

とはいえ、不倫が疑われる状況であれば、その損害賠償額はごくわずかにとどまるケースが多く見られます。

• プライバシー侵害とされやすいケース：スマホのロックを解除して中身を閲覧した
• プライバシー侵害とされにくいケース：通知ポップアップで偶然内容が目に入った

仮にプライバシーの侵害が成立しても、LINEの内容が不貞行為の証拠として無効になるわけではありません。

ID・パスワードを使ったログインは「不正アクセス禁止法」に注意

配偶者のLINEを確認しようと、自分のスマートフォンやパソコンから「IDやパスワード」を使ってログインする行為は、不正アクセス禁止法違反に該当する可能性があります。

• IDとパスワードを用いて第三者のアカウントにログインする
• その状態でデータを転送・保存する

不正アクセスが認定されると、3年以下の懲役または100万円以下の罰金が科される可能性があります。LINEの確認は、あくまで「目視で内容を確認・撮影」する範囲にとどめましょう。

不倫の証拠を確保することは大切ですが、自身の行動が違法行為にならないよう、注意深く対応することも忘れないでください。

裁判で使える有効な不貞の証拠を得るには？

不貞行為を立証し、裁判で有利に進めるためには、確実性の高い証拠をそろえることが不可欠です。しかし、個人で尾行したり証拠を収集したりするのは、時間的・精神的にも大きな負担であり、相手に気づかれて証拠隠滅されるリスクもあります。

そこで有効なのが、探偵事務所に調査を依頼する方法です。探偵は法的に問題のない範囲で対象者を尾行・張り込みし、ラブホテルの出入りや宿泊先での行動など、不貞の事実を裏付ける証拠を写真や映像として記録します。調査報告書は日時や場所が明確に記録されており、裁判でも証拠として認められやすいのが大きなメリットです。

また、探偵による証拠はLINEの履歴やホテルの領収書など、他の証拠と組み合わせることで証明力がより強化されます。法的トラブルを避けつつ、相手に気づかれずに証拠を集めたい場合には、探偵の利用が最も現実的で信頼できる手段といえるでしょう。

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